平成30年3月7日(水) 費用対効果部会

中医協の費用対効果部会の傍聴に行ってきました。
www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000196685.html

現在13品目の価格再算定のための試行的分析・評価がされていますが、その暫定結果と今後の予定が発表されました。

今年4月の価格改定では、13品目中価格が下がるものは2品目(オプジーボ*とカドサイラ)、価格が上がるものは1品目(カワスミNajuta*)です。その他の品目は暫定基準値である500万円/QALYを下回る(費用対効果がよい)という企業側が提出した分析結果、または再分析の結果のどちらかまたは両方の結果を受けて、再算定には影響しないこととなりました。部会では品目ははっきりしませんでしたが、「倫理的・社会的考慮要素」のために、価格に反映しないと決定もあったような感じでした。13品目のうち、再算定に反映される2品目(*)を含む6品目は検証のためのさらなる分析が実施されるとのことです。

今後の予定として、1.臨床専門家の参画、2.分析の枠組みの事前協議、3.分析方法の明確化を行うようです。平成30年末の本格導入のために、以下のスケジュール案が提出されました。
3月までに企業と面談の上分析の枠組み等を協議
5月に枠組みの決定
8月に分析終了
11月に専門組織による分析結果のとりまとめ

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個人的な感想としては、つまり今後の予定として、臨床専門家の参画や分析方法の明確化を含む分析の枠組みの事前協議」を行うと言うことだと理解しました。実は分析の枠組みの決定こそが専門家として重要なプロセスであり、一般的なhow to参考文献のNICE reference case、Drummond check listやDrummond Blue Bookなどの重要専門書のなかでも最初に記述される非常に重要な部分です。医療政策のための医療経済分析は95C%Iレベルのいわゆる「エビデンス」ではなく、意思決定の参考資料なのですから、データや計算の緻密性よりもコンセプトの論理的整合性が大事になります。モデルの決定を含む分析の枠組みの決定方法は「こうすればよい」というガイドラインがあるわけではないにもかかわらず、英国の専門コンサルの間では20年の経験の積み重ねでしょうか、ほとんど同様のプロセスがとられています。NICEでもScientific advice(https://www.nice.org.uk/about/what-we-do/scientific-advice)を早くから実施しており、既に承認機関や、他国との合同協議に発展しています。つまり今後の予定として、臨床専門家の参画や分析方法の明確化を含む分析の枠組みの事前協議」を行うと言うことだと理解しました。実は分析の枠組みの決定こそが専門家として重要なプロセスであり、一般的なhow to参考文献のNICE reference case、Drummond check listやDrummond Blue Bookなどの重要専門書のなかでも最初に記述される非常に重要な部分です。医療政策のための医療経済分析は95C%Iレベルのいわゆる「エビデンス」ではなく、意思決定の参考資料なのですから、データや計算の緻密性よりもコンセプトの論理的整合性が大事になります。モデルの決定を含む分析の枠組みの決定方法は「こうすればよい」というガイドラインがあるわけではないにもかかわらず、英国の専門コンサルの間では20年の経験の積み重ねでしょうか、ほとんど同様のプロセスがとられています。NICEでもScientific advice(https://www.nice.org.uk/about/what-we-do/scientific-advice)を早くから実施しており、既に承認機関や、他国との合同協議に発展しています。

分析の枠組み、私は分析のコンセプトと呼んでおりますが、の作成は、分析の公平性を保つ上でも、製品のバリューを最大限に表現する上でも重要なプロセスです。しかしながら医療経済を先行する英国NICEでも日々新しい企業からの申請があり、分析の質を保つことは大変な困難を伴います。NICEは試行錯誤の結果、さまざまな「わかりやすい」アプローチを一般に提供しています。例えばこういう感じです。
https://www.nice.org.uk/process/pmg24/chapter/cost-effectiveness

一方で、企業側は自社製品の価値を、客観的に数値で示せるチャンスですので、製品を待つ患者様のためにも、その価値をしっかりと分析に反映させていただきたいです。臨床試験によく用いられるsurrogate outcomeでは数値化できなかった製品の本当の価値を数値化しましょう。

支払い側、厚生労働省側の責務である公平性の担保と、企業側が提示製品の価値とが、費用対効果分析を起点にして充分に議論されるようになれば、患者さんや社会にとって最もよい医療資源の分配に近づくかもしれません。